リアガラスが粉々に割れたら?応急処置や交換費用を解説
コラム車のリアガラスには、通常のガラスよりも3〜5倍の強度を持つ強化ガラスが採用されています。このガラスは、割れた際に大きな破片とならず、小さな粒状に砕ける特性を持っていて「安全ガラス」とも呼ばれています。しかし、リアガラスが絶対に割れないということではなく、さまざまな原因で割れてしまう可能性はあります。
本記事ではリアガラスの割れる原因や応急措置方法、費用相場などを解説します。
この記事で押さえておきたいポイント
- リアガラスが粉々に割れたときの応急処置は?
- まずは適切な位置で停車し、手袋や道具などで割れたガラスを取り除きます。その後ダンボールやビニールシート、テープなどを使って割れたガラスを覆います。詳しく見る
- 修理・交換費用はいくらかかる?所要時間は?
- 粉々に割れた場合は、ガラス交換が必要です。リアガラス交換の相場費用は、軽自動車で50,000円~100,000円、普通自動車で70,000円~130,000円です。多くの場合、数時間~半日で施工が可能です。詳しく見る
- 交換費用を安く抑えるコツ
- 比較的低額かつ高品質で交換が可能な自動車ガラス専門店に依頼したり、保険を活用したりすることで費用を抑えることができます詳しく見る
リアガラスの特徴と粉々に割れる理由
リアガラスにはフロントガラスとは異なる「強化ガラス」が使用されています。強化ガラスは通常のガラスと比較して強度が3~5倍程度高いガラスですが、割れないということではありません。ただし万が一割れてしまった場合、鋭利な破片で車内の人に被害が及ばないように粉々になるよう安全設計がなされています。
また、多くの車では曇りや霜を解消して後方視界を確保するため、熱線がリアガラスに内蔵されています。特に寒冷地仕様の車では積雪や凍結による視界不良を防ぐため、標準車よりも熱線が太い、あるいは熱線の密度が高いなど、リアガラスの熱線機能が強化されています。
リアガラスが割れる原因
リアガラスの破損は多くのドライバーにとって予期せぬトラブルとなります。しかし、どのような原因でリアガラスが割れるのでしょうか。以下に主な原因を詳しく解説します。

飛び石
飛び石とは、道路上を走行している車両のタイヤなどによって蹴り上げられた石や小石が飛び跳ねる現象を指します。
この飛び石が他の車両のガラスやボディに直撃することで、ガラスのチッピングやひび割れ、ボディの塗装の傷などのダメージを引き起こすことがあります。特に高速道路や舗装されていない道路を走行する際には、飛び石のリスクが高まります。
熱割れ
「熱割れ」とは、ガラスが急激な温度変化によって割れてしまう現象を指します。特に、夏季などにおいて、冷たい水を熱したガラスにかけたり、逆に、冷やされたガラスを急激に加熱すると、ガラスの収縮や膨張が均等でなくなり、テンションが発生してガラスが割れることがあります。
車のガラスの場合、日差しで車内が高温になっている状態で冷水をかけると、熱割れのリスクが高まります。このため、夏場の洗車や雨上がりの水たまりを避ける際には注意が必要です。
夏の強い日差しや急な温度変化により、リアガラスが急激に加熱されると、ガラスの収縮と膨張が生じ、これにより、ガラスが割れることがあります。特に冷房を強くしている最中に直射日光が当たると、熱割れのリスクが高まります。
風圧
高速走行中の強い風圧や、突風によってリアガラスに強い圧力がかかることで、ガラスが破損することがあります。特に既にガラスに微細な傷がある場合、風圧で割れやすくなります。
小さな傷から拡大
リアガラスに小さな傷やチッピングがあると、その部分から割れが広がることがあります。振動や衝撃、温度変化など、さまざまな要因で微細な傷が拡大し、最終的には大きなひび割れとなる可能性があります。
製造時の欠陥
製造過程での品質管理が不十分だった場合や、材料の欠陥により、リアガラスに内部的な弱点が生じることがあります。このようなガラスは、少しの衝撃や圧力で破損するリスクが高まります。
経年劣化
時間とともにガラスの材質が劣化することで、ガラスの強度が低下します。経年劣化したリアガラスは、外部からの刺激に弱く、破損しやすくなります。
事故や衝突時の影響
車の事故において、特に後方からの衝突や物体の衝撃を受けた場合、リアガラスが割れることは少なくありません。リアガラスは通常、強化ガラスとして作られており、その特性上、衝撃を受けると大きな破片ではなく、細かく粉々に砕けることが多いです。
車同士の衝突や、物体との接触などの事故時には、強い衝撃がリアガラスに伝わります。このような強い力が加わると、リアガラスが粉々に割れることもあります。
リアガラスの急な破損に対する応急処置
リアガラスの急な破損に対する応急処置について解説します。

適切な位置での停車
強化ガラスが破損すると、白く網目状のヒビが広がることがあります。飛び散ることは少ないですが、そのままの状態で後方視界を確保しようとしてガラスを触るのは危険です。ガラスが割れている際には、サイドミラーを利用して周囲の状況を確認し、安全に車を停車させてください。
走行中に車体の振動でガラスが落下するリスクも考慮しなければなりません。停車後、安全手段を使用して、割れたガラスを取り除くことを推奨します。直接手でガラス片を取り除くのは避け、必要に応じて手袋や道具を使ってガラスを取り扱うようにしましょう。
また、ガラス片を車内に取り込む際には、座席や荷物を保護するための措置を取るとよいでしょう。
ダンボールと接着テープでの一時的な対策
破損したリアガラスの状態でも、短時間なら走行自体は可能ですが、防水や破片の飛散防止のために一時的な対策が必要です。車内に防水シートや接着テープがあればそれを使用することができます。
なければ、近くの店でダンボールやテープを購入して、ガラスの部分を覆うことができます。ただし、これはあくまで一時的な対応なので、長期間この状態での使用は避けるべきです。
応急処置の後は専門業者へ修理・交換を依頼
応急処置は一時的な対策に過ぎません。道路の安全基準を満たすためには、専門家による修理が必要です。破損したリアガラスは交通法規違反となる可能性があるため、早めに専門家に連絡し、適切な対応を求めることが推奨されます。交換作業は数時間で完了することが多いですが、部品の在庫状況や業者のスケジュールによっては時間がかかることもあります。事前に業者との連絡を取り、対応の目安を確認しておくと安心です。
ガラスの交換作業は数時間で完了することが多いですが、部品の在庫状況や業者のスケジュールによっては時間がかかることもあります。事前に業者との連絡を取り、対応の目安を確認しておくと安心です。
リアガラス交換はどこに依頼するべき?
ガラス交換の依頼先は主にカーディーラー、自動車ガラス専門業者、カーサービスショップの3つがあります。それぞれの特徴を比較して簡単に紹介します。
依頼先別の特徴比較表
| 項目 | ディーラー | 自動車ガラス専門店 | カーサービスショップ |
|---|---|---|---|
| 費用 | 高め | 安め~標準 | 標準(店舗による) |
| 品質・信頼性 | 非常に高い | 専門技術があり高い | 普通~高い |
| 納期 | 数日~1週間 | 数時間~数日 | 数日程度 |
| 選択肢 | 純正品のみ | 純正・社外・輸入・中古 | 店舗による |
ディーラー
純正ガラスのみを扱っており、メーカー直属のため在庫の心配は基本的にありません。ディーラーからガラス専門店に外注されることが多く、中間マージンが発生するほか納期も長くかかる傾向にあります。
自動車ガラス専門店
専門性が高くディーラーに依頼する場合と同等の品質が期待できます。また、ガラス専門店では純正品以外に社外品(国内優良品)や中古品、高機能ガラスも取り扱っており、予算や機能に合わせて様々なガラスを比較検討することが可能です。さらに、最短数時間で交換が可能な点も特徴です。
カーサービスショップ
チェーン店など馴染みのある店舗で気軽に相談できるのが特徴です。また、ポイント還元などの独自のサービスが受けられる場合があります。ただし、取り扱いのある車種やガラスの種類は店舗によるため、注意が必要です。
リアガラスの修理・交換費用相場
リアガラスは、細かいヒビの場合のみ修理が可能です。ヒビの修理には、透明な「レジン」樹脂を使い、ヒビ部分を埋めます。しかし、大きなヒビや欠けているガラス、粉々に割れた場合は、交換が必要となります。
軽自動車のガラス交換は、普通自動車よりコストが低いことが一般的です。しかし、リアガラスは市場供給が少なく、高価になることもあります。通常の窓ガラスと比べ、車のガラスは複雑な構造のため価格が高いです。特にリアガラスは、内蔵された熱線やアンテナのために、他のガラスよりも高価です。
| 自動車の種類 | 修理費用相場 | 交換費用相場 |
|---|---|---|
| 軽自動車 | 25,000円~45,000円 | 50,000円~100,000円 |
| 普通自動車 | 30,000円~50,000円 | 70,000円~130,000円 |
また、依頼先によっても費用相場は異なり、ディーラーは自動車ガラス専門店やカーサービスショップに比べて高い傾向にあります。
依頼先ごとの特徴や費用の目安は以下の記事で詳しく紹介しています。こちらも併せて参考にしてください。
その日のうちに乗って帰れます



リアガラス交換にかかる時間
多くの専門業者やカーディーラーでは、ガラス交換作業自体は数時間から半日で完了します。しかし、旧車や特定の輸入車では、適切なガラスの在庫がないため、取り寄せに時間がかかることもあります。このような場合、複数の業者やディーラーに問い合わせ、迅速に対応してくれる場所を見つけることが重要です。
リアガラスには熱線が施されているため、フロントガラスと比べ、作業が難しく、2時間程度長くかかることを想定するとよいでしょう。一方、サイドミラーの交換は30分~1時間程度です。ただ、迅速な対応は部品の在庫がある場合に限られるので、注意が必要です。
依頼先ごとの特徴や所要時間の目安は以下の記事で詳しく紹介しています。こちらも併せて参考にしてください。
リアガラス修理・交換に保険は使える?
リアガラスの修理や交換に自動車保険を使用できるかどうかは、以下の要因によって異なります。
保険の種類
自動車保険には「自賠責保険」と「任意保険」があります。自賠責保険は、人身傷害の補償を主としており、車両の損害には適用されません。
一方、リアガラスの修理や交換は「任意保険」の車両保険部分でカバーされることが多いです。
保険の契約内容
任意保険の中の「車両保険」は、事故や自然災害、盗難などによる車両の損害を補償するものです。リアガラスの破損もこの車両保険の補償対象となることが多いです。しかし、保険契約の詳細や保険会社によって、補償内容や対応が異なる場合があるため、具体的な補償内容や自己負担額は事前に契約内容や保険会社の担当者と確認することが必要です。
任意保険の車両保険にも様々なプランや補償範囲が存在します。保険契約時の補償内容や特約によって、ガラスの修理や交換が補償対象となるかどうかが異なります。
破損の原因
ガラスが割れる原因によっても補償の対象となるかどうかは変わってきます。例えば、事故や飛び石による破損は補償の対象となることが多いですが、故意や過失による破損は除外されることがあります。
免責
任意保険の免責金額とは、保険が補償する前に、保険契約者自身が負担しなければならない最低限の金額のことを指します。簡単に言えば、保険が適用される際の「自己負担額」とも言える金額です。
例を挙げると、車の修理費用が10万円かかった場合で、免責金額が3万円の場合、保険契約者はまず最初の3万円を自己負担し、残りの7万円が保険から補償される形となります。修理費用が免責金額以下の場合は、補償は受けられない場合が多いです。
保険を使用する際の注意点や手続き方法
保険を使用する際の注意点や手続き方法を解説します。
事前確認
リアガラスの破損原因や状況に応じて、補償の適用が異なる場合があります。事故や突然の破損など、具体的な原因を明確にしてから保険会社に連絡します。
免責金額の確認
任意保険の中には、免責金額が設定されていることが多く、この金額未満の修理費用の場合、保険を利用することはできない可能性があるので注意が必要です。
修理業者の選定
保険会社に指定された提携修理業者を利用する場合、手続きがスムーズに進むことが多いです。しかし、自由に修理業者を選べる場合もあるので、確認が必要です。
必要書類の提出
事故の警察の事故証明書や、修理見積もりなど、保険会社から求められる書類を準備・提出します。
最後に、注意点として、連続しての小さな損害や、何度もの請求が続くと、次回の保険料が上がることがあります。リアガラスの修理費用と自己負担額、保険料の変動を総合的に判断し、保険を利用するかを決めると良いでしょう。
交換費用を安く抑えるコツ
リアガラスの交換には一定以上の費用が必要になります。臨時の出費はなるべく抑えたいですよね。そこで、これまで紹介したことを踏まえて、リアガラスの交換費用を抑えるコツをまとめます。
- 自動車ガラス専門店に依頼する
- 自動車ガラス専門店では純正品よりも安価な社外品(国内優良品)や輸入品、中古品も取り扱っています。また、純正品も中間マージンが取られない分ディーラーに依頼するよりも低価格で交換が可能です。
- 保険を活用する
- 契約内容や免責金額、保険使用後の保険料の上昇分の考慮が必要ですが、保険を使用することでトータルとして費用を抑えられる場合があります。











