リアガラスの交換業者の種類と費用は？応急処置の方法や修理で済むケースとは

車のリアガラスが割れたまま道路を走っていると、「運転してもよいのか」と不安を感じる方も多いでしょう。車種やリアガラスの形状によって風の影響が変わるため、危険の度合いも変わります。リアガラスが割れているにもかかわらず修理や交換をしないと、事故につながるリスクもあるためです。

そこで、リアガラスが割れたまま運転するリスク、交換費用や対処方法を詳しく紹介します。

リアガラスが割れたままでも走行できる？

リアガラスが割れた車でも、道路を走ることは可能です。

しかし、どのような車でも安全に運転できるわけではなく、車によって危険度は異なります。リアガラスが地面と垂直になっている車（ミニバン、ワンボックス車など）は、風の影響が少ないため比較的安全に運転できるでしょう。

一方、リアガラスが地面に対して垂直ではなく、傾いている車（セダン、クーペなど）は、風が車内に吹き込むため危険性が高いです。割れたリアガラスを吹き抜ける風により、走行中に車内の物や割れたガラスの破片が周囲に飛散する可能性があります。

車体の違いは空気抵抗と風の巻き込み

リアガラスの形状や大きさは車種によって異なります。特に、リアガラスの大きさは、ガラスが割れた状態での走行時の衝撃に関係します。

また、リアガラスの傾斜具合によっても走行風の影響は異なることを理解しておきましょう。リアガラスが大きく斜めになっている場合は、割れたまま運転しない方がよいといえます。

一方、リアガラスが垂直に近い角度になっている場合は、比較的風の影響を受けにくいでしょう。リアガラスが傾斜している車には、セダンやクーペがあります。傾斜が走行に影響する理由は、前方から吹いてくる風が室内に引き込まれ、室内に空気の渦が発生します。空気の渦が発生し、室内の軽いものを巻き上げるため危険です。

割れたり砕けたりしたガラスの破片は片付けないと後続車に向かって飛んでいき、道路に落ちればオートバイへの影響も懸念されます。思わぬ大きなものが車外に飛び出してしまうこともあるため、注意が必要です。

リアガラスが割れたまま運転すると逮捕される？

リアガラスが割れた状態で運転した場合、逮捕されるかどうかは明らかではありません。通常、整備不良の車を運転していると警察に逮捕されます。理由は、歩行者や周囲の車に迷惑をかけたり、多くの方を巻き込む事故を起こす可能性があるためです。

リアガラスの破損は、直接周囲の方に被害を与える整備不良ではありません。そのため、応急処置をして修理に向かう程度であれば、逮捕される可能性は低いでしょう。しかし、「割れたガラスが周囲に飛び散ったり、割れた部分から車内のものが飛び出したりすると、周囲の方に迷惑がかかり危険である」という理由で逮捕される可能性はあります。リアガラスが割れた状態での運転は、必要最小限にとどめたほうがよいでしょう。

リアガラスが割れた際の応急処置の方法

リアガラスがなくても、運転は可能です。ただし、リアガラスがないと雨風が吹き込んだり、破片が飛び散ったりすることがあります。車内にブルーシートや、ガムテープがあれば応急処置ができます。車内にない場合は、近くのコンビニやスーパーに行く方法が有効です。

コンビニやスーパーには、処分しなければならないダンボールがあり、ガムテープも売っています。リアガラスが隠れるくらいの大きさの段ボールを用意し、ガムテープでしっかりと固定しましょう。車の外側は内側に比べて突起が少ないため、段ボールを車の外側に密着させられます。ただし、中にダンボールを取り付けた後は、絶対に窓を開けないことが重要です。車内からの風圧で、ダンボールが飛ばされてしまいます。

セロハンテープで補強

市販のセロハンテープでも応急処置ができます。

セロハンテープは、必ずフロントガラスの傷をカバーできる幅のものを使いましょう。小さなセロハンテープを何枚も重ねて傷を覆ってしまうと、隙間からゴミや汚れが入り込む可能性が高いです。保護フィルムやセロハンテープで応急処置をする場合は、強く押し付けすぎないように注意しましょう。強く押すと、傷やヒビ割れが悪化します。

リペアキットを使う

リペアキットを使えば、石などによるフロントガラスの傷をUV硬化樹脂で補修が可能です。リペアキットは数千円程度で市販されていますが、きれいに仕上げるにはテクニックが求められるでしょう。

リアガラスが割れた際のNG行動

リアガラスが割れた際、車内のものが後続車に飛ばないようにしましょう。車内のものは床に近いところに置くか、トランクには入れないようにします。

さらに、割れたリアガラスの破片も片付けておくことが大切です。リアガラスの破片は鋭利なナイフではなく、四角い立方体のような形をしています。しかし、素手で触ると小さな破片が手に刺さるため、素手で触れないようにしましょう。

また、低速走行だけではなく横の窓を開けることは厳禁です。サイドウィンドウを開けると、割れたリアガラスの開口部を風が強い勢いで通過します。突風が車内を吹き抜け、車体が風で不安定になる恐れがあり、事故につながるため横の窓は閉めたままにしましょう。

リアガラス交換ができる業者とは

リアガラスの交換を依頼できる業者は、主に4種類挙げられます。それぞれの特徴を確認し、依頼する業者を選びましょう。

ディーラー

ディーラーとは、自動車メーカーと専売店契約を結び、メーカーの新車・中古車を販売している正規販売店です。ディーラーには専門の整備士が在籍していることが多く、車の知識が豊富で、純正部品を使った修理ができる技術を持ったスタッフが対応します。リアガラスの修理にかかる時間は半日～1日であり、午前中にディーラーに持ち込み、当日の夕方には交換が完了するケースが多いです。

整備工場

整備工場とは、地域に密着した中小規模の工場で、自動車の修理・点検を専門に行います。

オートバックス、イエローハット、タイヤ館などの全国チェーン店が挙げられます。特定のメーカーしか扱わないディーラーとは違い、複数のメーカーの幅広い車種を扱っていることが特徴です。純正部品以外での修理も提案してもらえるため、コストを抑えられるでしょう。修理の所要時間は約半日～1日ですが、混雑する場合もあるため、事前に予約しておくと安心です。

自動車ガラス専門店

自動車ガラス専門店の特徴は、専門的な知識と経験を持っていることです。輸入車や旧車を扱う専門店もあり、部品供給も安心でしょう。修理にかかる時間は、約4～5時間です。

ガラス修理屋

ガラス専門の修理会社です。国産ブランドや海外からの輸入品、中古品など、純正品以外のリアガラスを使用することで、交換費用を安く抑えられます。

また、連絡すればすぐに対応してくれる業者もあるため、緊急性が高い場合はおすすめです。多くの場合、即日修理をしてもらえます。純正部品にこだわらず、安くリアガラスを交換したい方は、自動車ガラス専門店かガラスリペア業者がおすすめ。どちらもディーラーより安いですが、部品在庫や納期に差があります。両方から見積もりを取って比較しましょう。

リアガラス交換にかかる費用の相場

リアガラス交換費用は依頼場所によって大きく異なりますが、平均的な費用を把握しておきましょう。

リアガラスの交換費用は、乗用車や軽自動車など車の大きさによって異なります。
また、外車の部品は希少であったり、入手が困難であったりするため、価格も様々です。

リアガラス修理の保険適用や注意点

車のリアガラスが割れた場合、自動車保険を利用できます。誰がガラスを割ったのかがわかっているのであれば、相手に損害賠償を請求すべきです。

しかし、相手が誰かわからない場合や、相手が支払いを拒否したり、支払い能力がなかったりする場合は、車両保険を利用するのも手です。自動車保険に加入していても車両保険を付けていない場合は、相手を特定したうえで、支払いに応じてくれることを祈るほかありません。

また、車両保険には一般型と、補償範囲が限られているエコノミー型（車対車＋限定A）があります。飛び石やイタズラでリアガラスが割れたのであれば、一般型でもエコノミー型でも補償の対象です。

翌年の等級が下がる

リアガラスの修理で車両保険を使うと、翌年の等級が下がります。イタズラや車上荒らし、飛び石などでリアガラスが割れた場合、保険の等級は1等級下がるだけですが、翌年の保険料が高くなり、等級の進みも遅くなります。修理代が数万円になるようなケースでは、保険料の上昇を考えると車両保険を使わないほうがよい場合もあります。不安な場合は、保険会社に相談しましょう。

免責金額は自己負担

車両保険の免責金額が0円ではない場合、免責金額は自己負担となります。保険金として支払われる金額は、修理費用から免責金額を除いた金額です。

例えば、免責金額が5万円で修理代金が10万円の場合、支払われる保険金は10万円から免責金額5万円を差し引いた金額となります。修理費が5万円未満であれば、保険金は支払われません。車両保険の免責金額は、1回目と2回目以降の車両事故の金額の組み合わせで選びます。例えば、0～10万円の場合、1回目の車両事故の免責金額は0円、2回目以降が10万円です。

免責金額が高いほど保険料は安くなりますが、リアガラスの修理を含め、事故やトラブルの際の自己負担は大きくなります。保険料とのバランスを考えて免責金額を決めましょう。

リアガラスの交換ではなく修理で済む場合はどういうときか

リアガラスが割れていたり、完全に破損している場合は、修理ではなく交換しなければなりません。しかし、リアガラスが割れる前の小さな損傷であれば、修理で済む場合もあります。

例えば、1cm～2cm程度の傷であれば、保護フィルムやテープで応急処置が可能です。保護フィルムを貼ることで、汚れの侵入を防ぎ、修理時の傷も落としやすくなるでしょう。自動車用ガラスは衝撃に強く割れにくいですが、何かにぶつかったり飛び石が当たったりすると傷がつきます。小さな傷を放置しておくと傷が大きくなり、結果的にリアガラスの交換費用がかかるため注意が必要です。

そのため、車のリアガラスにヒビが入った際には、早めに修理を依頼しましょう。

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