フロントガラスの線傷は何が原因?修理方法や予防方法もあわせてご紹介
フロントガラスに付く線傷とは?
線傷とは引っかき傷のような線状についた傷のことを示しています。指で触ると引っかかる感覚がある分かりやすいものや、軽く見ただけでは気が付かないような分かりにくいものまであります。
いずれの線傷も付いてしまった原因があり、これを知らないといくら修理しても同じ過ちを繰り返してしまいます。
そこでまずは線傷が付く原因について解説していきます。また、線傷の放置は重大な危険性があるのであわせて解説いたします。
線傷が付く原因
線傷が付いてしまう原因として次の3つが挙げられます。
- 飛び石
- 洗車や除雪などの作業
- ワイパー使用
飛び石は防ぐことが難しいのですが、残りの2つは原因を知っておくと対処が可能となります。それではそれぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
飛び石
飛び石とは路上の小石がタイヤに跳ね上げられたり、タイヤの溝に挟まった小石が走行中に外れたりすることで発生します。
飛び石も当たり所が悪ければフロントガラスを交換しないといけないようなヒビが入ることがあります。
飛び石の発生頻度に違いはありますが、一般道路であろうが高速道路であろうが発生するものなので厄介な原因となっています。
洗車や除雪などの作業
洗車や除雪作業を何も考えずに行ってしまうと、気が付いたら線傷が付いていたという事象もあります。
いずれも固い物質でフロントガラスを引っかいてしまうことが原因で線傷が付いてしまっています。洗車であれば砂や小石が傷を付けていることが多いです。
洗車前に汚れを落としきれていなかったり、使用するスポンジに石などが付いていたりすると力を入れて洗ったときに傷が付いてしまいます。
除雪作業であればスノーブラシを使って作業をしていても傷が付くことがあります。
スノーブラシの劣化により露出した金属部分がフロントガラスに接触したり、間違えて雪を下ろす用ではない方の面を使用してしまったりすると線傷ができてしまいます。
もちろんスコップやデッキブラシなどを使ってしまうと高確率で傷が付くので、道具がない場合は手で雪を下ろすようにしましょう。
ワイパー使用
ワイパーブレードには砂やほこりが溜まりやすくなっており、砂などが溜まった状態でワイパーを使用してしまうと傷を付けてしまうことがあります。
また、ワイパーはゴム製品なので劣化スピードが早い方の部品となっています。劣化したゴムもフロントガラスを傷付ける原因になるので、定期的にメンテナンスをしておきましょう。
線傷を放置する危険性
線傷はヒビと比べると小さな傷に感じてしまうので、放置しても問題ないのではと考える方も少なくありません。
しかし、線傷のような小さな傷でも放置しておくと次の3つのような危険性があります。
- 傷が拡大する
- きれいに直りにくくなる
- 車検に通らない可能性がでてくる
それぞれの危険性については、次項にて詳細に解説していきます。修理で解決した傷も交換せざるを得なくなると、高額な費用を負担することになるので、早急な対応が重要になります。
傷が拡大する
線傷のような小さく見える傷でも、傷が付いている場所はガラスの強度が落ちてしまっています。自動車の走行でフロントガラスには振動が加えられたり、風圧がかかったりしています。
フロントガラスがこのような力に耐えきれなくなった場合、傷が拡大してしまいます。また、ガラスも他の物質と同様に熱によって膨張したり縮小したりしています。
一日の温度変化が激しいような季節になるほど、体積変化による歪みで傷が拡大してしまうことがあります。
きれいに直りにくくなる
線傷を放置していると、傷の箇所に汚れが入り込んでしまいます。
この汚れは簡単に取ることができないので、いざ修理をしてもきれいに仕上がりにくくなってしまいます。
また、修理作業自体も難しくなってしまうので、特別な理由がない場合は早く修理するに越したことはありません。
すぐに修理できないという場合は、応急処置として保護シールを貼っておくと汚れが入らないのでおすすめです。
車検に通らない可能性がでてくる
線傷を放置して傷が拡大したり、きれいに直っていなかったりすると車検に通らなくなる可能性も上がってきます。
車検時のフロントガラスに関する検査基準は、国土交通省により以下の通りに定められています。
自動車(二輪自動車、側車付二輪自動車及び最高速度40km/h未満の自動車を除く。)の前面ガラス等のうち前面ガラスの強度等に関し、保安基準第29条第2項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。
一 損傷した場合においても運転者の視野を確保できるものであること。
二 容易に貫通されないものであること。引用元:国土交通省
このように、車検時のフロントガラスの傷について定量的な基準は存在しません。よって、車検時の検査員が運転者の視野に問題ないと判断してくれるかどうかが問題となってきます。
検査員は車検の度に違うでしょうから、前回通ったから大丈夫という訳でもありません。運転時の視認性は安全運転に大きく影響するので、審査も厳しくなることが予想されます。
前述した通り、傷の拡大などの危険性も含んでいるので、傷の放置はなるべくしないように心掛けておきましょう。
線傷の修理方法
ここからは線傷の修理方法を紹介していきます。基本的にディーラーやガラス専門工場などの業者に修理してもらうと確実にきれいになるうえに、修理対応できるかどうかの判断も信頼できるのでおすすめです。
しかし、軽い傷であれば市販の修理キットでも費用を抑えた修理が可能なので、傷の程度によって使い分けるとよいでしょう。
それぞれの修理方法については次節にて詳しく解説していきます。
市販の修理キットを使って修理する
市販の修理キットには専用液を流し込んで修理するものや、研磨剤で磨いて修理するものなどがあります。
いずれの修理キットも安ければ1,000円から用意でき、高くても数千円もあれば購入できます。
作業手順が書かれた紙が商品と一緒に梱包されているので、簡単に作業を進めることができます。また、どのような傷を対象とした商品であるかもパッケージに記載されているので、自分の用途に応じた商品を選ぶことができます。
気になった方は、お近くのカー用品店などに行ってみてください。
ディーラーやガラス専門工場に修理してもらう
フロントガラスの傷の修理はディーラーだけでなく、ガラス専門工場などでも行ってもらえます。
作業の品質についてはちゃんとした業者であれば問題ないので、お住いの地域のガラス専門工場も調べてみてください。
ディーラーなどの業者に修理を依頼した際の費用相場については次項をご覧ください。
業者に修理を依頼した場合の費用相場
フロントガラスの線傷の修理を業者に依頼した場合の費用相場は20,000円~40,000円程度です。
修理費用は傷の状態や車種などによって異なるので、必ず見積もりをお願いしましょう。
また、業者によって作業内容が違ってくることもあるので、相見積もりを取って作業内容と料金に納得がいく業者に依頼するようにしましょう。
線傷の予防方法
最後に、線傷の予防方法を紹介していきます。線傷の予防に有効な方法は次の4つです。
- 車間距離を広くとって運転する
- 屋根付きの駐車場に駐車する
- ボディーカバーを使用する
- フロントガラス保護フィルムを貼る
比較的お金もかからず、手軽にできるものもあるので詳細を見ていいなと感じたものはぜひ取り入れてみてください。
車間距離を広くとって運転する
運転中の車間距離の確保は、安全面だけでなく飛び石対策としても有効な方法です。
飛び石は他の走行車が飛ばしてしまった石がぶつかってしまうことなので、100%防げるような対策は存在しません。
しかし、車間距離を広めに確保することで石が自分の車にぶつかる前に落下しやすくなるので、フロントガラスに当たる確率を下げられます。
安全運転のために車間距離を意識して運転されているでしょうが、飛び石もなるべく防ぎたいという方は、いつも以上に広めの車間距離を意識して運転してみてください。
屋根付きの駐車場に駐車する
カーポートの設置やガレージの建築によって、フロントガラスの雪下ろしや霜取りの必要がなくなります。
これらの作業が必要なくなると同時に、道具でフロントガラスを傷付けてしまう危険性もなくなります。
賃貸にお住いの方であれば、引越しを検討する際に駐車場についても意識して探してみてはいかがでしょうか。
ボディーカバーを使用する
自宅の駐車場に手を加えることが難しかったり、屋根付き駐車場のある賃貸が見つからなかったりする場合は、ボディーカバーの使用でも予防が可能です。
車体全てを覆うタイプや、フロントガラスのみを覆うタイプなどさまざまなバリエーションのボディーカバーが販売されています。
カバー範囲が増えると着脱や保管が大変になってしまうので、手間を増やしたくない方はなるべくカバー範囲が小さくなるよう目的に合った商品の購入をおすすめします。
フロントガラス保護フィルムを貼る
フロントガラスに貼るフィルムとして、飛び石などの傷を回避・軽減するための保護フィルムが存在します。
保護フィルムにも寿命があるので、定期的に貼り替えないと効果は期待できません。
価格も安くはないので躊躇ってしまうかもしれませんが、フロントガラスをきれいに保ち続ける効果には期待ができます。
フロントガラスの傷は売却時の査定にも影響されるので、線傷の予防以外のメリットも見込めます。
まとめ
本記事では、フロントガラスの線傷について原因や対処法、修理方法について解説してきました。
線傷のような比較的小さい傷であっても、放置していれば傷が拡大したり、きれいに直らなくなったりするなどの危険性があります。
このような事態に陥れば、車検に通らない可能性も出てくるので、本記事を参考に早急に修理するようにしましょう。