フロントガラスの擦り傷の修理費用は？修理時間と擦り傷の防ぎ方

車のフロントガラスは、視界の確保と安全運転に欠かせません。また、フロントガラスの擦り傷は、視界だけではなく、車の見た目にも悪影響を与えます。

フロントガラスに擦り傷ついた際、交換するほかないのでしょうか。そこで、フロントガラスの擦り傷の原因、自分でできる擦り傷の消し方を紹介します。

フロントガラスに擦り傷がつく原因

車のガラスに小さな擦り傷がつく原因は、大きく分けて2つあります。

それぞれについて解説します。

飛び石などの飛来物が当たったケース

車のガラスに擦り傷がつく原因として最も考えられるのが、走行中に飛び石などの飛来物です。車が投げ上げた石が、フロントガラスやサイドガラスに当たって擦り傷がつきます。また、小石だけではなく、ネジやボルト、捨てられたゴミなど想定外の物が飛んでくるケースも少なくありません。

飛び石による擦り傷の場合、フロントガラスの表面に小さな欠けが生じます。1mm程度の小さな擦り傷でも、放置すると10円玉程度の大きな擦り傷になるケースもあるため注意しましょう。

経年劣化によるワイパー擦り傷のケース

ワイパーゴムには、砂利や土などの不純物が付着しやすいです。ワイパーブレードに不純物が付着したままワイパーを作動させると、フロントガラスやリアガラスに小さな擦り傷がついてしまいます。

また、長年同じゴムを使用しているワイパーは経年劣化が進んでおり、動かし続けるとガラスを擦り傷つけるため注意しましょう。ワイパーの劣化は、日頃の点検で防ぐことができます。
フロントガラスに小さな擦り傷がついたら、ワイパーが劣化していないか確認しましょう。

フロントガラスに小さな擦り傷がつくリスク

フロントガラスに擦り傷がついても、小さい傷であれば放置する方もいるでしょう。しかし、たとえ小さな擦り傷でも、すぐに修理をしなければ危険です。

ここではフロントガラスに小さな擦り傷がつくこと、放置することのリスクを解説します。

放置すると擦り傷が広がる

フロントガラスについた小さな擦り傷をそのままにしておくと、擦り傷が広がって危険です。
走行中の揺れや振動により擦り傷に力が加わるほか、車外と車内の温度差が原因でヒビが入ることもあります。

また、擦り傷に汚れや雨水が入り込むと擦り傷が広がる可能性が高いです。そのため、小さな擦り傷を放っておくと大きな擦り傷になり、修復が困難になるため注意しましょう。

視界不良は事故の原因

小さな擦り傷が広がり、大きな傷になる、ヒビが入るなど状態が悪化すると、運転中の視界が極めて悪くなります。

また、直射日光の反射や、夜間や雨粒があるときに対向車のライトの乱反射が起こり、前方が見えにくくなることも多いです。日差しの強い朝や、ライト点灯時の夜間など、視界不良による事故が起こりやすいでしょう。

自分でできる擦り傷の消し方

軽い擦り傷であれば、自分で補修できます。しかし、適切な消し方をしないと擦り傷が目立ってしまうため注意しましょう。

フロントガラスに擦り傷が見えると、運転中の視界の妨げになるほか、擦り傷の状態によっては車検に通らないこともあります。ここでは、正しい擦り傷の消し方を紹介します。

ガラスの清掃

フロントガラスの擦り傷と汚れを区別するために、汚れを落とします。水洗いで丁寧に汚れを落としましょう。

急激な温度変化を避けるため、直射日光を避け、日陰で作業することが大切です。頑固な汚れは、ガラスクリーナーで落とせます。

コンパウンドで擦り傷を磨く

擦り傷が目立たなくなったら、ガラス専用のコンパウンドで磨きます。

スポンジにコンパウンドをつけ、ガラス面をなでるように磨きましょう。コンパウンドでフロントガラスの表面が削れてしまうため、局部的にこすらないように全体をまんべんなく磨きます。コンパウンドでこすっても汚れが落ちない場合は、作業を中断して専門家に相談することが重要です。正しい消し方をしないと、擦り傷の状態が悪化します。

ガラスコーティングの施工

コンパウンドで磨いたままでは、水を全く弾きません。そのため、擦り傷を除去したらガラスコーティングを施工します。

正しい方法で擦り傷を消すと、ガラスコーティングが密着しやすくなり、確実に水を弾くようになるでしょう。

業者に依頼した場合の擦り傷修理にかかる費用

実際にフロントガラスの擦り傷修理を依頼する際には、どのくらいの費用がかかるのか気になるものです。

ここでは、フロントガラスの修理・交換にかかる平均的な費用を紹介します。

フロントガラスの擦り傷修理相場

フロントガラスの擦り傷修理の平均相場は、約15,000円～20,000円です。

擦り傷修理にかかる費用は依頼する店舗によって異なりますが、リペア可能であれば1箇所あたり定額で対応しています。擦り傷修理の費用は、フロントガラスの交換に比べて安く設定されていることが一般的です。フロントガラスに擦り傷やヒビを見つけたら、すぐにリペアして擦り傷が広がらないようにしましょう。

フロントガラス交換費用相場

フロントガラスの端など修理不可能な箇所の擦り傷、修理が困難なほど擦り傷やヒビ割れが広がっている場合などは交換が必要です。

フロントガラスの交換費用は、ガラスリペアの費用よりも大幅に高くなります。具体的に、ガラス交換に必要な種類と相場は以下のとおりです。なお、費用はあくまで参考であり、車種によって異なります。

また、フロントガラスには純正部品からリーズナブルな部品まで複数の種類があり、どのガラスを取り付けるかによって費用が大きく変わります。

さらに、フロントガラスにはETCアンテナ、ドライブレコーダー、地デジチューナーなどの部品が取り付けられている場合が多いです。取り付けには別途費用がかかることもあるため、注意しましょう。

フロントガラスの交換が必要になった場合、車種やガラスの種類、ガラスに付属している部品の数によっても費用が変わってくることが想定されます。フロントガラスの交換となった際には、10万円以上の費用がかかる可能性があることも理解しておきましょう。

業者に依頼した場合の擦り傷修理にかかる時間

フロントガラスの擦り傷の種類や程度によって修理量や所要時間は異なりますが、30分～1時間半程度です。そのため、午前中に店舗に依頼し、夕方には引き取りができます。

ただし、依頼する店舗によっては、ガラス修復を自社ではなく外注に出す場合もあるため注意しましょう。外注先のスケジュールを考慮する必要があり、まれに当日中に作業を受けられない場合もあります。

また、フロントガラスの擦り傷やヒビ割れが悪化している場合の交換所要時間は、2時間程度です。フロントガラスとボディの間には接着剤が塗布されており、交換の際には接着剤の乾燥時間を考慮しなければなりません。

振動によってガラスがずれる可能性があるため、十分に乾燥するまでは自走不可能です。つまり、作業自体は2時間程度でも、乾燥に最低3時間はかかります。いずれの場合も、修理や交換には時間がかかるため、フロントガラスに擦り傷やヒビ割れを見つけた際は余裕を持って修理を依頼しましょう。

フロントガラスの擦り傷を未然に防ぐ方法

車は常に屋外を走っているため、飛び石を100％防げません。特に、フロントガラスは守ることが難しいといえます。

しかし、飛び石による車へのダメージを最小限に抑えることは可能です。方法は、大きく分けて「飛び石を受ける可能性を減らすこと」と「車体を守ること」の2つがあります。

飛び石を意識して走行

飛び石の可能性を減らす具体的な対策としては、前車との車間距離を十分に取って走行することが大切です。前車との車間距離を空けることで、前車から飛んできた石が地面に落ちてフロントガラスに当たるのを防げます。

また、砂利を積むダンプカーからは石が飛びやすいため、後ろを走らないように意識する方法も有効です。飛んできた石にぶつかる確率を減らせば、必然的に被害も減るでしょう。

コーティングやフィルムの使用

飛び石に当たっても、ボディを保護していれば、軽微な擦り傷は避けられます。フロントガラスの保護方法としては、専門業者によるガラスコーティングや、プロテクションフィルムを貼るなどです。

ガラスコーティングはボディ全体をガラス素材でコーティングし、コーティング層がフロントガラスやボディを保護します。擦り傷を完全に防げませんが、小さな擦り傷であればコーティング層が擦り傷つく程度であり、飛び石による擦り傷以外もコーティングによって防げます。

また、飛び石対策として有効なのがプロテクションフィルムの施工です。物理的なフィルムでボディを保護するため、コーティングよりも保護層に厚みを出せます。

デメリットは施工費用が高いことですが、フィルムが擦り傷んだ際は交換するだけでよい点は大きなメリットです。車種や施工箇所などを総合的に検討すれば、選択肢のひとつになるでしょう。

こまめな洗車

フロントガラスに異物が付着したままワイパーを使用すると、ガラスに擦り傷がつきます。そのため、こまめな洗車が大切です。ワイパーには砂利や土などの異物が付着しているため、ガラスと同じ要領で洗車して異物が残らないようにしましょう。

ワイパーゴムが寿命を迎えている場合は交換

走行中は車間距離を十分にとり、こまめな洗車で、フロントガラスに小さな擦り傷がつくリスクを減らせるでしょう。

しかし、想定していないところから小石が飛んでくることもあります。すぐにディーラーや専門店に持ち込めない場合は、擦り傷が広がらないように保護フィルムを貼って応急処置をすることが大切です。フロントガラスに小さな擦り傷がついた際は、早めに専門家に相談しましょう。

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