車検の検査項目一覧!注意したい項目やセルフチェックする方法を解説
コラム車検では、ブレーキやタイヤ、ヘッドライト、ガラス、排気ガスなど、車の安全性や環境性能に関わる部分を確認します。基準を満たさない箇所があると、そのままでは合格できません。
「どこをチェックされるのか」「気になる傷や不具合は事前に直すべきか」と不安な方に向けて、主な検査項目と確認内容を一覧で紹介します。不合格につながる状態や車検前にできる5つのセルフチェックも解説するので、点検・整備を相談する際の参考にしてください。
この記事で押さえておきたいポイント
車検項目一覧
一般的な自家用乗用車を想定し、主な検査項目と確認する箇所を整理しました。タイヤやガラスなどの状態は、外観検査などで確認されます。
| 検査項目・確認箇所 | 主な確認内容 | 問題になる状態の例 |
|---|---|---|
| 同一性の確認 | 車台番号やナンバープレートなどが車検証の情報と一致しているか | 車台番号などが車検証の情報と一致しない |
| 外観・保安装置 | 車体、灯火類、ワイパー、警音器、シートベルトなどの状態 | 必要なライトが点灯しない、ワイパーや警音器が正常に作動しない |
| 窓ガラス | 亀裂や視界を妨げる状態などがないか | 目視などで確認できる亀裂がある、運転に必要な視界を確保できない |
| タイヤ | 溝の深さ、損傷、車体からのはみ出しなど | 溝が基準より浅い、内部のコードが露出するような損傷がある |
| サイドスリップ検査 | 前輪の横滑り量が基準内か | 測定した横滑り量が基準を外れている |
| ブレーキ検査 | 制動力、左右のバランス、駐車ブレーキの効き | 制動力が不足している、左右の差が基準を超えている |
| スピードメーター検査 | 実際の速度とメーター表示の差が基準内か | 速度表示の誤差が基準を超えている |
| ヘッドライト検査 | 明るさや照射方向が基準に適合しているか | 光量が不足している、光軸がずれている |
| 排気ガス検査 | 車種に応じた排出ガスの基準を満たしているか | 排出ガスの測定値が基準を超えている |
| 下回り検査 | 足回りや車体下部の部品の取り付け、損傷、油漏れなど | 安全性に関わる緩みや損傷、著しい腐食、油漏れなどがある |
| OBD検査(対象車のみ) | 電子制御装置に保安基準不適合となる故障の記録がないか | 不適合の判定対象となる故障コードが記録されている |
OBD検査は対象となる車のみ実施される
OBD検査は、車載式故障診断装置に記録された情報を専用の機器で読み取り、電子制御装置に保安基準に適合しない故障がないかを確認する検査です。国産車は2024年10月1日、輸入車は2025年10月1日から実施されています。
対象となるのは、国産車では2021年10月1日以降、輸入車では2022年10月1日以降の新型車です。購入した年だけでは判断できません。
車検と法定点検の違いは?検査項目に差はある?
車検と法定点検は、どちらも車の安全性に関わるものですが、目的や確認する項目が異なります。
車検は国の保安基準を満たしているかを確認する検査であり、法定点検は故障の予防や車の状態を維持するために行う点検です。
それぞれの特徴を理解しておきましょう。
車検
車検は、車が国の定める保安基準に適合しているかを確認するための検査です。正式には「自動車検査登録制度」といい、一定の期間ごとに検査を受けることが法律で義務付けられています。一般的な自家用乗用車の場合、新車登録から初回の車検までは3年、その後は2年ごとに受ける必要があります。
検査では、ブレーキの制動力やヘッドライトの明るさ、排気ガスの状態などを確認します。基準を満たしていない箇所があれば、整備などを行わなければ合格できません。ただし、車検は検査時点の状態を確認するものであり、次の車検まで故障しないことを保証するものではありません。
法定点検
法定点検は、車の故障を未然に防ぎ、安全な状態を維持するために実施する、法律で定められた定期点検です。一般的な自家用乗用車には、1年ごとの12か月点検と、2年ごとの24か月点検があります。
車検が保安基準への適合を確認するのに対し、法定点検では部品の摩耗や劣化、各装置の作動状態などを詳しく調べます。たとえば、ブレーキでは制動力だけでなく、ブレーキパッドの摩耗状態やブレーキ液の漏れなども確認します。
車検前に注意したい不具合と不合格になる例
検査項目の中には、普段の目視確認で異常に気づけるものと、専用の機器による測定や詳しい点検が必要なものがあります。ここでは、車検前に確認・相談しておきたい代表的な不具合を紹介します。
ヘッドライトの光量不足や光軸のずれ
ヘッドライトは、点灯していても基準を満たしているとは限りません。車検では、明るさを示す光量と、光が照らす方向を示す光軸を検査します。
レンズの黄ばみや曇りなどにより光量が不足したり、部品の取り付け状態などによって光軸がずれたりすると、不合格につながります。照射方向に違和感がある場合や、レンズの劣化が目立つ場合は、整備工場で点検・調整を依頼しましょう。
タイヤの摩耗や損傷
タイヤは、溝の深さや損傷の有無などが車検に影響します。
一般的な乗用車用タイヤの場合、溝の深さが1.6mm未満になると保安基準を満たしません。タイヤの溝には、摩耗の目安となるスリップサインが設けられています。スリップサインが現れている場合は、タイヤの交換が必要です。
また、溝が残っていても、深いひび割れや内部構造に達する損傷がある場合は、車検に通らないことがあります。
ブレーキの制動力不足や部品の不具合
ブレーキ検査では、専用の機器を使って制動力や左右のバランスを測定します。駐車ブレーキも検査対象です。十分な制動力が得られない場合や、左右の差が基準を超える場合は整備が必要です。
ブレーキ液の漏れや部品の異常なども、安全性に関わります。異音がする、ペダルの感触が普段と違うといった症状があれば、車検を待たずに点検を依頼しましょう。
フロントガラスのひび割れや損傷
フロントガラスのひび割れは、車検前に専門業者へ特に相談しておきたい損傷です。自動車技術総合機構の審査事務規程では、目視などで確認できる亀裂は、窓ガラスの機能を損なうおそれのある損傷として扱われます。
「小さいひびだから」「運転席の正面から外れているから」と、そのまま車検に通ると判断することはできません。一方、表面の浅い擦り傷と亀裂は状態が異なるため、すべての傷を一律に不合格と考えるのも適切ではありません。
飛び石による小さな傷は補修できる場合がありますが、傷の位置や深さ、広がり方などによっては交換が必要です。また、補修後も跡が残る場合があり、補修しただけで車検への合格が保証されるわけではありません。損傷の状態と、補修・交換のどちらが適切かを専門業者に確認してもらいましょう。
前方カメラが付いた車は、ガラス交換後にエーミングと呼ばれるカメラの調整が必要になる場合があるため、対応できる依頼先への相談が必要です。
フロントガラスのひび割れや損傷について、詳しくは以下の記事も参考にしてください。
排気ガスや車体下回りの不具合
排気ガス検査では、ガソリン車などの一酸化炭素・炭化水素、ディーゼル車の黒煙など、車種に応じた項目を確認します。エンジンや排出ガスを浄化する装置の不具合によって、基準を満たさなくなることがあります。
下回りでは、足回りや車体下部の部品に緩み・損傷・著しい腐食・油漏れなどがないかを確認します。車の下から異音がする、駐車場所に油のような液体が落ちている場合などは、整備工場へ相談してください。確認のために自分で車体を持ち上げたり、車の下に潜ったりするのは安全のため避けましょう。
車検前にできる5つのセルフチェック
車検前には、ライトの点灯状態やタイヤの摩耗など、自分で確認できる項目をチェックしておくことが大切です。事前に不具合を発見できれば、必要な修理や整備を早めに依頼できます。
ここでは、専門的な工具や検査機器を使わずに確認できる5つの項目を紹介します。
1. ライト類が正常に点灯するか確認する
まずは、ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなどが正常に点灯するか確認しましょう。
車検では、各ライトの点灯状態や色などが確認されます。電球が切れていたり、正常に点灯しなかったりする場合は、基準を満たさない可能性が高くなります。
確認しておきたい主なライトは、以下のとおりです。
- ヘッドライト
- ウインカー
- ブレーキランプ
- テールランプ
- バックランプ
- ナンバー灯
ブレーキランプは運転席から確認しにくいため、家族などにブレーキを踏んだ状態を見てもらうとよいでしょう。車の前後に人がいる状態で車を動かさないよう注意してください。
なお、ライトが点灯していても、光量や照射方向が基準を満たしているとは限りません。気になる場合は整備工場で確認してもらいましょう。
2. タイヤの溝やひび割れを確認する
タイヤは、溝の深さと表面の状態を確認しましょう。
特に重要なのが、タイヤの溝に設けられているスリップサインです。これはタイヤの摩耗具合を示すもので、溝の深さが1.6mmになると現れます。
スリップサインが1か所でも現れている場合は、タイヤの交換が必要です。
また、タイヤの側面や接地面に大きなひび割れや傷がないかも確認してください。溝が十分に残っていても、損傷の状態によっては安全性に問題が生じることがあります。
タイヤの内側など、目視しにくい部分もあるため、判断が難しい場合は整備工場やタイヤ販売店で確認してもらいましょう。
3. フロントガラスとワイパーの状態を確認する
フロントガラスにひび割れや欠けがないか、ワイパーが正常に作動するかを確認しましょう。
ガラスを確認する際は、運転席から見える範囲だけでなく、端の部分にも傷がないか見ておくことが大切です。飛び石などによる小さな傷でも、位置や深さによっては修理が必要になる場合があります。ガラスの損傷は自己判断が難しいため、専門業者に確認してもらうのが安心です。
また、ワイパーを動かしたときに拭きムラが残る、異音がする、ゴムが切れているといった状態にも注意が必要です。ワイパーの劣化であればワイパー自体はゴムやブレードの交換で改善することがあります。しかし、ワイパーの劣化が原因でフロントガラスに傷が入っているケースも珍しくないため、注意して確認しましょう。
4. メーターパネルの警告灯を確認する
エンジン始動後、ハイブリッド車や電気自動車では走行可能な状態にしたあとに、異常を知らせる警告灯が点灯し続けていないかを確認します。
始動時に一時的に点灯するものや、駐車ブレーキ・シートベルトの状態を知らせるものもあるため、点灯しただけで故障とは限りません。意味と対応方法は取扱説明書で確認してください。
エンジン、ABS、エアバッグなどの警告灯が消えない場合は、検査を受ける前に点検・修理が必要になることがあります。
5. クラクションやウォッシャー液の作動を確認する
クラクションやウォッシャー液の噴射装置も、車検前に確認しておきたい項目です。クラクションは、正常に音が鳴るかを確認します。ただし、道路上では警音器を鳴らせる場面が法律で制限されているため、周囲の迷惑にならない適切な場所と状況で確認してください。
ウォッシャー液は、噴射口から正常に出るかを確認しましょう。液が出ない場合は、ウォッシャータンクの残量を確認し、不足していれば補充します。十分な量が入っているのに噴射されない場合は、ノズルの詰まりやポンプの不具合なども考えられます。
いずれも安全な運転に関わる装置のため、正常に作動しない場合は車検前に修理を依頼しましょう。
車検に落ちたらどうすればいい?
車検に落ちた場合でも、不合格となった箇所を整備し、再検査で基準を満たせば合格できます。ただし、再検査を受けるタイミングによって手続きや費用が変わる場合があります。ここでは、不合格になった場合の基本的な対応と、再検査の注意点を解説します。
不合格になった項目を整備して再検査を受ける
車検に不合格となった場合は、まず検査結果を確認し、基準に適合していなかった箇所を把握しましょう。たとえば、ヘッドライトの光軸がずれていれば調整し、タイヤの溝が不足していれば交換するなど、原因に応じた整備が必要です。整備が完了したら、再び検査を受けます。
車検業者や整備工場に依頼している場合は、不合格となった箇所や必要な整備内容について説明を受けましょう。整備内容によっては追加費用が発生するため、作業前に見積もりを確認しておくと安心です。
再検査の期限や追加費用に注意する
車検に不合格となった場合、再検査を受ける日によって手続きが異なります。検査場に車を持ち込む場合、検査当日は初回を含めて最大3回まで検査コースに入場できます。
当日中に合格できなかった場合も、限定自動車検査証の交付を受ければ、原則として発行日を含む最大15日間、対象となる不適合箇所について再検査を受けられます。ただし、後日再検査を受ける場合は、別途手数料が必要になることがあります。
再検査が必要になったら、期限や必要書類、費用を検査場や依頼先に確認しましょう。
車検費用を抑える方法は?
車検費用を抑えるには、複数の業者から見積もりを取り、料金と整備内容を比較することが大切です。車検費用には、法律で定められた費用と、依頼先によって金額が異なる費用があります。
複数の業者から見積もりを取って比較する
車検費用を抑えたい場合は、複数の整備工場や車検業者から見積もりを取ることをおすすめします。
車検費用は、主に法定費用と、点検・整備費用などに分けられます。法定費用には、自動車重量税や自賠責保険料、検査手数料が含まれます。一方、点検・整備費用や車検代行手数料などは、依頼先によって異なります。
見積もりを比較する際は、総額だけでなく、どのような作業が含まれているか確認することが大切です。基本料金が安くても、追加整備によって費用が高くなる場合があります。追加費用が発生する条件も確認し、納得できる業者を選びましょう。
必要な整備内容を確認して無駄な出費を防ぐ
車検の見積もりには、車検に合格するために必要な整備だけでなく、今後の故障を防ぐための予防整備が含まれる場合があります。費用を抑えたい場合は、どの作業が車検に必要で、どの作業が予防的に推奨されているものなのか説明を受けましょう。
たとえば、部品が劣化している場合でも、現時点で交換が必要なものと、今後の交換を検討するものでは緊急性が異なります。ただし、費用を優先するあまり、安全性に関わる整備を省くことは避けてください。車の使用状況や部品の状態を踏まえ、整備工場と相談しながら必要な作業を判断することが大切です。
割引制度やユーザー車検を活用する
車検業者によっては、早期予約割引やインターネット予約割引などの制度が用意されています。車検を受ける時期が決まっている場合は、早めに業者の料金プランを確認しておくとよいでしょう。
また、自分で車を検査場へ持ち込む「ユーザー車検」を利用すれば、車検代行手数料などを抑えられる場合があります。ただし、ユーザー車検は検査の予約や必要書類の準備、検査場での手続きを自分で行う必要があります。さらに、ユーザー車検を受ける場合も、法定点検や必要な整備を省略してよいわけではありません。
車の知識や作業に不安がある場合は、整備工場などに依頼する方法も含めて検討しましょう。
車検が切れてしまった場合は?
車検の有効期間が満了した車は、公道を走行できません。車検切れの状態で公道を走ると、道路運送車両法違反となり、罰則の対象になります。
また、車検と同じ時期に自賠責保険の有効期間が切れているケースもあります。自賠責保険が切れた状態での運転も法律違反です。車検の有効期限は、車検証や車検標章などで確認できます。
車検切れに気づいた場合は、整備工場までの短い距離でも自走せず、依頼先に連絡して移動方法を相談してください。
移動には積載車を利用する方法のほか、条件を満たして臨時運行許可を受け、仮ナンバーを使用する方法があります。仮ナンバーは車検のための回送など目的が限られ、有効な自賠責保険、運行経路・期間などの条件があります。
仮ナンバーを使う場合も、安全に運行できる状態が必要です。視界やブレーキなどに問題がある場合は、自走を避けて積載車などを手配してください。
車検切れの車を移動させる際は、必要な手続きや条件を確認し、適切な方法を選びましょう。
検査項目を把握し気になる不具合は車検前に相談しよう
車検では、ブレーキ・タイヤ・ヘッドライト・ガラス・排気ガス・下回りなどを検査し、対象車にはOBD検査も行います。まずはライトの点灯状態やタイヤの摩耗、ガラスの傷など、自分で安全に確認できる範囲をチェックしましょう。
異常を見つけた場合は、車検を待たずに相談することが大切です。ブレーキや警告灯などは整備工場へ、ガラスの傷やひび割れはガラス修理の専門業者などへ、症状を具体的に伝えてください。
くるまガラスセンターでは、ガラスの状態に応じて補修・交換方法をご案内しています。車検前に気になる傷を見つけた方は、車種、傷の位置や大きさ、いつ気づいたかをお伝えください。











