フロントガラスの傷をリペアできる条件は?ガラス交換と修理はどっちがおすすめ?
フロントガラスの傷は、安全性にも関わるため、放置せずに早期にリペアや交換をすることを心がけましょう。
リペアできる傷の条件やリペアと交換のそれぞれの費用相場、傷の原因や防止方法を解説します。
リペアできる傷の条件
フロントガラスの傷は、ドライバーの視界に影響するだけでなく、安全性にも関わる重要な問題です。しかし、すべての傷がガラス交換を必要とするわけではありません。
リペアが可能な傷の条件について詳しく見ていきましょう。
ひびの大きさ
傷の大きさはリペアの可否を大きく左右します。
一般的に、直径1.5cm以下の小さなひびやチップはリペアが可能とされています。
しかし、それ以上の大きさになると、ガラスの強度や安全性に影響が出る可能性があるため、交換が推奨されることが多いです。
ひびの位置
フロントガラスの傷の位置も重要です。
ドライバーの直接の視界に影響する中央部分の傷は、特に小さくてもリペアが難しい場合があります。また、ガラス上部4cm、左右4cm、下部8cmの範囲の破損で、ガラスの端に近い傷は、拡大するリスクが高いため注意が必要です。
ひびの深さ
ガラスの表面だけに発生した浅い傷はリペアが容易ですが、ガラスの中央部まで達する深い傷はリペアの難易度が上がります。
深さがガラスの半分以上に及ぶ場合は、交換を検討することが多いです。
ひびの形状
星型、半月型、放射型など、傷の形状によってもリペアの可否が変わります。例えば、放射型のひびは拡大しやすく、リペアが難しいことが知られています。
傷の新しさ
新しい傷は、汚れや湿気が入り込む前であれば、リペアがしやすいとされています。時間が経つと、傷の中に汚れや水分が入り込み、リペアの際の樹脂の浸透が難しくなります。
したがって、傷を発見したら早めの対応がおすすめです。
リペアした場合の費用相場
フロントガラスの傷やひびをリペアする際の費用は、修理の範囲や深さ、修理店の種類によって異なります。
一般的な費用相場は以下のとおりです。
- 修理専門店に依頼した場合:15,000円から20,000円程度
- ディーラーに依頼した場合:20,000円から30,000円程度
このように、修理専門店の方がディーラーよりも割安にリペアを行うことができることが多いです。
ただし、修理の品質やサービスの内容には差がある場合があるため、選択する際には注意が必要です。
ガラス交換した場合の費用相場
ひびの大きさや位置、深さなどにより、リペアではなくガラスの交換が必要となる場合があります。ガラス交換の費用は、車の種類やガラスの品質、交換を行う店舗の種類によって大きく変動します。
以下に一般的な費用相場を示します。
- 軽自動車:60,000円~90,000円
- 小型乗用車:65,000円~90,000円
- 中型乗用車:70,000円~100,000円
- 大型乗用車:90,000円~130,000円
- ワンボックス・RV:100,000円~150,000円
さらに、ガラスの品質やタイプによっても交換費用は異なります。
- 純正品:70,000円(軽自動車)~150,000円(普通車)
- 輸入品:最大80,000円(軽自動車)~90,000円(普通車)
- 高性能断熱ガラス:40,000円〜90,000円(軽自動車)、50,000円~100,000円(普通車)
- 国産ガラス:40,000円~90,000円(軽自動車)、60,000円~110,000円(普通車)
複数の業者から見積もりを取得し、費用とサービス内容を比較することで、最適な選択をすることができます。
リペアと交換はどっちがおすすめ?
リペアと交換、どちらがおすすめかは、傷やひびの状態、費用、期間、品質の要因などによって異なります。
以下にそれぞれの方法のメリットとデメリットを示し、選択の参考となるポイントを挙げます。
リペアのメリット
まずはリペアのメリットを確認しましょう。
コスト
リペアは交換に比べてコストが低く抑えられます。特に小さなひびや傷の場合、リペアで十分な場合が多いです。
時間
修理にかかる時間が短く、数時間以内に完了することが多いです。
エコロジー
ガラスの交換をせずに修復することで、廃棄物を減少させることができます。
リペアのデメリット
つづいて、リペアのデメリットを確認しましょう。
限界がある
ひびや傷が大きい、またはガラスの端近くにある場合、リペアできないことがあります。
完全ではない
一部の傷やひびは完全に消えないことがあるため、完璧な見た目を求める場合には不向きです。
交換のメリット
次に交換のメリットを確認しましょう。
完全な修復
新しいガラスに交換することで、元の状態に戻すことができます。
安全性
大きなひびや傷がある場合、ガラスの強度が低下している可能性があります。交換することで安全性を確保できます。
交換のデメリット
最後に交換のデメリットを確認しましょう。
コスト
ガラスの交換は費用が高くなることが多いです。
時間
ガラスの取り外しや取り付けに時間がかかり、半日から1日以上かかることもあります。
結論
小さなひびや傷で、コストを抑えたい場合はリペアがおすすめです。
ガラスの強度や安全性を確保したい、または完璧な見た目を求める場合は交換がおすすめになります。
どういうときに傷ができてしまうのか
フロントガラスのひび割れや傷は、車の安全性や見た目に影響を及ぼすだけでなく、車検の際にも問題となる可能性があります。
しかし、どのようなシチュエーションや条件下でこれらのダメージが発生するのでしょうか。
以下、主な原因となるシチュエーションを詳しく解説します。
熱割れ
一般的に、熱割れはガラスの急激な温度変化により生じる現象です。
熱割れは、ガラスの急激な温度変化によって生じるひび割れのことを指します。
具体的には、ガラスが一方向に高温になったり、あるいは低温になった状態から急速に逆の温度に変わったとき、ガラス内部の熱膨張や収縮のバランスが崩れ、その結果としてひび割れが発生する現象です。
夏の炎天下の駐車
真夏の日差しの下で車を長時間駐車した後、エアコンを強力に利用すると、ガラス内部の温度変化が激しくなり、ひび割れの原因となります。
また、この状態で冷水をフロントガラスにかけると、ひびが入る可能性が高まります。
冬の霜取り
霜や氷で覆われたフロントガラスに熱い水をかけると、急激な温度変化が生じ、熱割れが起きることがあります。
飛び石
道路を走行中、突如としてガラスに衝撃がある経験をした方も多いでしょう。
その多くは、飛び石の影響です。飛び石とは、道路を走行中の車両から、特にタイヤの回転により飛び上がった小石や砂利などの硬い物体が、他の車のボディーやガラスに直撃する現象を指します。
この現象は都市部や郊外、高速道路などさまざまな場所で頻繁に発生します。
高速道路の走行
特に高速道路では、速度が上がることで飛び石の影響も大きくなります。小石がガラスに当たる速度が増すため、傷やひび割れが生じやすくなります。
未舗装の道路
未舗装の道路や工事現場近くでは、石や土が舞い上がる可能性が高まります。これが車のフロントガラスに当たると、傷やひび割れが生じることがあります。
落下物
駐車場や道路上での意外な危険因子として、上からの落下物が挙げられます。
建築現場近くの駐車
建築現場では、作業中のミスや風の影響で物が落下することがあります。このような場所での駐車は、ガラスのひび割れや傷のリスクが増大します。
天候不良
自然の力は予測し難く、その影響は車のガラスにも及びます。
強風や竜巻が物を飛ばすことで、それが車のガラスに衝突するリスクが高まります。
氷の塊である雹は硬さと大きさによっては、ガラスに深い傷やひび割れを生じさせる可能性があります。
傷ができないようにするための対策
車やその他の乗り物のフロントガラスに傷が付くのを防ぐための方法や注意点をいくつか挙げます。傷は見た目だけでなく、安全性にも影響する可能性があるため、以下の対策を心がけると良いでしょう。
スピードを出しすぎない
高速で走行すると、砂や小石などの飛散物がガラスに当たる力が増し、傷がつきやすくなります。特に高速道路などでの適切な速度を守ることで、飛散物の影響を軽減することができます。
トラックやバイクの後ろを走らない
バイクの後ろを走ると、タイヤから跳ね上げられた砂や小石が直接ガラスに当たる可能性が高まります。バイクとの距離を保つことで、このリスクを減らすことができます。また、大型トラックは大量の飛散物を跳ね上げやすいため、特に注意が必要です。トラックの後ろを走ると、フロントガラスに小石や砂、泥などが直撃するリスクが上がります。
プロテクションフィルムを貼る
ガラスに専用の保護フィルムを貼ることで、飛散物の影響を受けにくくすることができます。フィルムはUVカットや反射防止の効果も持つものが多く、機能性と保護性を両立させることができます。
コーティング剤の使用
ガラス専用のコーティング剤を使用することで、表面を滑らかにし、汚れや傷が付きにくくします。定期的にコーティングを行うことで、ガラスの寿命を延ばすことができます。
定期的な清掃
ガラスを清潔に保つことで、汚れや砂がガラスにこびりつきにくくなります。こびりついた汚れや砂が摩擦により傷となることを防ぎます。
ワイパーのメンテナンス
古くなったワイパーブレードは硬くなることがあり、それが原因でガラスに傷をつける可能性があります。ワイパーブレードの状態を定期的にチェックし、必要に応じて交換することが重要です。