フロントガラスにひびがあっても車検は通る?すぐに修理をすべきかどうかを解説!
フロントガラスにひびがあっても車検は通る?
飛び石やイタズラなどで、車のフロントガラスにひびが入った場合、車検に通るかどうか気になる方も多いでしょう。
実際にはフロントガラスにひびが入った場合は、ケースバイケースとなっています。
目立つような破損があれば、車検が通らない可能性が高くなります。
たとえば、ひびが20cm程度入っていれば、車検に通らないと考えて問題ありません。
また、傷の大きさだけでなく、傷の場所もポイントになります。
ただし、明確な基準はありません。どのような場合に車検が通るのかは、検査官の判断によります。
しかし、フロントガラスに傷が入ったり、破損しているような場合でも車検が一切通らないわけではなく、わずかな傷などで運転の支障にならない程度であれば、車検が通る場合もあります。
フロントガラスに傷ができる理由
飛び石や小さな物にあたることによる傷
運転中に飛び石や小さな物が当たることが原因の一つです。小石が当たって擦り傷やひび割れなどが発生するケースも少なくありません。
また、ネジやその他の硬い物がフロントガラスに当たり、ガラスに傷がつく場合もあります。
その他、大型トラックのタイヤに挟まった小石などが飛ばされ、フロントガラスに当たることもめずらしくありません。
路上に落ちているアスファルトの欠けたものやコンクリート小片が飛んでくる場合もあります。
天候や気温の寒暖差などで路上の物体が飛んできやすくなることもあるのです。
しかし、飛び石や小さな物は突然飛んでくることがほとんどなので、回避は難しいでしょう。
劣化したワイパーによる傷
ワイパーが劣化していれば、フロントガラスに細かい傷がつくこともめずらしくありません。
ワイパーのゴムには砂利やゴミが溜まりやすいためです。
また、ワイパーゴムとフロントガラスの間に砂利などが入り込み、その状態でワイパーを作動させるとキズが付くことも多くあります。
洗車機による傷
洗車後にも傷がつく場合があります。洗車機をくり返し使用することで、傷が大きくなり目立つこともあります。
小さな傷であってもなるべく早く見過ごさないようにすることが大切です。
凍結による傷
寒い冬の時期は、フロントガラスが凍結することにより、傷をつけてしまう場合があります。
ひびを修理した場合でも車検は通る?
リペアキットを使用して自分で修理する方法がありますが、ひびを修理した場合でもひびや傷などの状態によって車検に通る可能があるか否かを判断されます。
ガラス業者などに依頼をした場合にはその場でリペアか交換かをアドバイスしてくれますが、修理は原状回復ではないため、悪化してしまう可能性があります。
車検で検査される項目とその基準
車検の正式名称は「自動車検査登録制度」です。車検は、車の安全性を確保するために検査される項目とその基準があります。
それぞれの項目や基準を満たしている必要があるのです。車検の検査項目は多数に上ります。
車検の審査基準は、道路運送車両保安基準の第195条に規定されています。
同一性の確認
車検証の内容と車が一致しているかどうかを確認します。
同一性の確認は、エンジンに書かれている番号や車台番号などです。同一性の確認ができた上で初めて車検を受けられます。
タイヤの状態
タイヤは「亀裂、コード層の露出等著しい破損のないものであること」と規定されています。
つまり、タイヤの溝の摩耗やひびなどを確認します。タイヤの溝が1.6mm以下の場合は、交換しなければなりません。
タイヤの溝が1.6mm以下の場合、スリップサインが出ます。スリップサインとは、
タイヤの摩耗が進んでいることを指します。
スリップサインは、道路交通法で規定されている交換の目安です。すべてのタイヤが対象になります。
タイヤの溝が深く、ひびが入っている場合は車検に通らない可能性もあるため、事前に確認・交換することが大切です。
また、カーカスやワイヤーが露出している場合は、危険性が高いと判断されると車検が通らなくなります。
タイヤは溝の深さだけでなく、全体の状態を確認する必要があります。
ホイールナットやボルトの締め付け具合
ホイールは、歯車軸の回転をタイヤに伝える重要なパーツです。
ホイールナットやボルトが緩んでいる場合やひび割れ・傷がないかを確認します。
フェンダーと接触していない、ホイールからはみ出していない、タイヤの外径が規定値内など、保安基準を満たさなければなりません。
ブレーキの効き具合
ブレーキやサイドブレーキの利き具合をチェックするのも重要な検査項目です。
ブレーキには「ディスクブレーキ」と「ドラムブレーキ」がありますが、車種によってどちらか一方のみを採用している場合があります。
利き具合が悪い場合や関連する部位に不具合が発生すると、車検は通りません。
また、マスターシリンダーの異常により、ブレーキの利きが弱くなると車検に通らなくなります。
一方、ブレーキパッドの残量は車検では測定されません。一般的に7〜11mmの厚さがありますが、経年劣化によりすり減っていきます。
ブレーキパッドの劣化を放置すると、ブレーキの利き弱くなり、大きな事故につながります。
安全のため事前に確認しておきましょう。
フロントガラス
フロントガラスは、視界が正しく確保できることが重要視されます。
視界の妨げになるものがある場合は、車検に通らないこともあるのです。
車検では、フロントガラスや側面ガラス、サイドミラーなど、すべてのガラスが対象となります。
ひびや割れたりしている場合は、車検は通らなくなります。
たとえば、小さな傷があっても視界が正しく確保できない場合は車検に通らない可能性があるため、注意が必要です。
容易に貫通されない
ガラスが容易に貫通されないことも車検の検査基準になります。
小さなびひや割れ等があった場合でも複数箇所に損傷が多いと耐久性が低いと判断される可能性もあります。
そのため、傷が多くなることにより車検に通らない場合もあるのです。
機能性ガラス
近年、IR(赤外線)・UV(紫外線)カットなどの効果が期待される「機能性ガラス」が採用されているケースもめずらしくありません。
「機能性ガラス」の色はほぼ透明ですが、ガラスより可視光線透過率が低くなっている場合が多いので、70%を下回る可能性があります。
フロントガラスの可視光線透過率が70%に満たない場合は、不正改造車とみなされる場合もあります。
また、ガラスに着色フィルムを張っている場合も不正改造車とみなされる可能性が高く、可視光線透過70%を超えるものにすることが重要です。
一方、リアガラスや後部座席のサイドガラスは、可視光線透過率の基準は定められていません。
フロントガラスに亀裂がある
フロントガラスに全面に及ぶような大きい亀裂がある場合は、危険性が高く、車検が通らない可能性があります。
各種メーター
スピードメーターやシートベルト警告灯、エアバック警告灯などの各種メーターも車検の対象です。
メーターが点滅している場合は、何らかの故障や不備を知らせている状況であり、車検が通りません。
事前に原因を調べ、修理などしておきましょう。
車高
車高が低すぎると危険を伴うため、車検に通りません。
最低地上高は「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第163条」により、9cm以上と規定されています。
最低地上高とは、車体の最も低い部分から地面までの垂直距離を指します。
つまり、9cm未満になると車検は通りません。
外観検査
外回りの検査(外観検査)は、ヘッドライトやテールライト、ウインカー、ブレーキランプなどの灯火類、ワイパーやクラクション、ポジション球が正常に動作するかなどを確認します。
ライトのレンズが曇っていると、車検が通らない可能性が高いです。変色している場合は、交換する必要があるでしょう。
光度(カンデラ)や色温度(ケルビン)にも規定があります。
光度(カンデラ)
例えば、ハイビーム時の明るさは、2灯式では1万5千カンデラ以上、4灯式では1万2千カンデラ以上となっています。
色温度(ケルビン)
3,500〜6,000K(ケルビン)程度となっています。
また、ワイパーやウォッシャー液、クラクションも実際に作動するかなども検査事項です。
クラクションの音量は、明らかに小さい場合や異音が生じる場合は車検が通りません。
さらにコーションラベル、発煙筒の有効期限の確認をします。
その他
ステアリングラックブーツやドライブシャフトブーツ、ブレーキダストブーツの劣化の有無などを確認します。ひび割れや破損が生じている場合は車検に通りません。
車体の下からオイル漏れやボルトの緩み、シートベルトに破損や不具合かなどの確認も行います。
修理すべきか交換すべきか
自分で修理するメリット・デメリット
ガラスの傷の程度が小さい場合は、自分で傷の修理ができるかもしれません。
自分で修理する場合は、費用を抑えられるということが最大のメリットです。
しかし、技術的には専門業者より劣るため、一度修理しても再び不具合が起きる可能性も否定できません。
結果的に費用が高額になる可能性もあります。
したがって、傷の程度が大きくなっている場合、修理業者に依頼することをおすすめします。
フロントガラスのひびは、放置すると整備不良とみなされるため、事前に修理しておきましょう。
整備工場の従業員では、修理するかどうかの判断が難しいケースもあります。
そのため、専門の業者にフロントガラスの傷を見てもらうとよいでしょう。
修理可能なサイズは2cm程度です。修理の予算は、一般的に1.5万円前後となっています。
交換のメリット・デメリット
交換になった場合は、ガラスの種類や業者の工賃によっても異なります。
交換にかかる時間は、接着剤が乾燥するまで約1時間程度かかります。
乾燥させる時間を合わせると平均4〜5時間は必要です。
交換の場合は、純正を使用するか、それ以外かで費用が大きく変わります。
純正品であれば、新車時と同様の状態になるので統一感があります。しかし、費用は割高です。
一方、社外品を使用して交換すると、価格は割安になりますが、品質は純正品より劣る場合があります。
このように日頃からフロントガラスに傷がつかないようにするためには、車間距離を十分取りながら、飛石を防ぐことが大切です。